約 864,769 件
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/767.html
俺の提案(部屋割り)は却下された。 結局男子と女子で一部屋づつになった。 ちなみにロリコンの処遇については何とかあのままにした。 朝になってベッドから起き、ギーシュが床で寝ているのを確認し、隣のベッドのデルフリンガーを背負う。 そしてベッドが二つしかない部屋から出ると、ロリコンが目の前にいた。 「おはよう。よく眠れたかい?」 「ああ、ベッドが良かったからな。そっちはどうだった?」 「おかげさまでよく眠れたよ」 「それは良かった。感謝しろよ」 気のせいかロリコンの顔が不自然だ。怒りを抑えているような気がする。 おれが何かしたのだろうか。 考えてみるが心当たりは無い、気のせいだな。 「そういえば君は『土くれのフーケ』を捕まえたらしいね」 「おう!スゲーだろ?」 「ちょっと君の力に興味があるんだ。手合わせをお願いできないかい?」 「手合わせ?おれと?本気で?」 「そうだよ」 大爆笑。 コイツ犬相手に手合わせなんか申し込んでるよ。 おれが爆笑しながらプライドとか無いのか?と聞いてみると ロリコンはその事に気づき逃げていった。 ありゃ稀に見るバカだね。 朝食の後再び手合わせを申し込まれた。 他の連中もロリコンの正気を疑ったようだが ロリコンの『フーケを捕まえたほどの実力なんだろ?だからだよ!』なんて必死の言い分を信じ、 『手合わせくらいやってやれよイギー』みたいな空気が出来上がっていた。 だがおれはそんな事やりたくないので 「なあ、ちょっとでいいからさ、頼むよ」 「イヤだ」 なんて事を延々と繰り返していた。 だが事態は昼食の後についに動いた。 「何でそんなに嫌がるんだい?」 この一言におれはつい答えてしまった。 「お前がロリコンだからだよ」 静寂。痛いくらいの静寂。 その静寂を破ったのはこの一言。たった一言。 「ロリコンの何が悪い?」 何か顔が怖いです。 「胸が無いからか?」 ゴメンナサイ。 「結局お前は胸が全てだと思っているのか?」 いえ、そんな事は無いです。 「巨乳には夢が詰まっているんだ!とか言うつもりか?」 もうやめてください。おれのライフはもうゼロです。 そのまま貧乳の魅力をずっと語られた。 その場の全員が。 机の上で貧乳こそが最高だ!等と演説してる姿はとても貴族には見えない。 大体おれが貶したのはロリコンだ。貧乳じゃあない。貧乳はおれも大好きなのに。 だがそんな事を言っても無駄だろうから黙っている。 「胸が小さいのは悲しみではない!その間違った悲しみを誇りに変えて、立てよ貧乳!」 なんだかなあ。 全員が『何でこんな事に…』って表情をしている。 おれ自身も辛そうで見ているだけで痛々しい、のでザ・フールで作った分身を解除し、そのまま散歩に出かけた。 ロリコンがあまりにもウザイので作っておいた分身。 まさかこんな形で役に立つとはな… ちなみにおれは窓の外から様子を見ていた。 おっと、さっさと逃げないと連れ戻されるな。 おれは宿屋から少し遠く、見つかりそうに無い場所を見つけ、のんびり昼寝する事にした。 タバサの怒りはいつ収まるのかな。 そんな他愛も無い事を考えているとすぐに眠くなった。 目を覚ますともう夜だった。 宿屋の…もといタバサの様子を確認しようと思いふと宿屋を見ると 囲まれていた。何か物騒な連中に。 入り口から少し離れた所に巨大なゴーレムまでいる。 ゴーレムの肩には人が二人いて片方はフーケだった。 もう片方は分からない仮面を付けている事は何とか見える、おそらく新手のメイジだろう。 おれがどう動くか考える前に何かがこっちに来る気配がした。 その何かの方を見てみるとルイズとロリコンだった。 「あ!イギー!こんな所に!」 「何がどうなっているんだよ?」 とりあえず状況を聞いてみる。 「敵に襲われたんだ。これから僕らは桟橋に向かい船に乗り、アルビオンへ行く。他の人には囮になってもらった」 「船が出るのは明日じゃないのか?」 「そこは僕の風でなんとかするさ」 あ、今の笑顔ムカツク。 「アンタは私たちに付いてきなさい」 それっきゃねえか。宿にはタバサもいるしな。 文化の違いって言葉がある。 それはエジプトでの旅でポルナレフが何度か言っていた言葉であるが、今おれはそれを目の当たりにしていた。 巨大な樹とその枝にぶら下がっている船である。 今発進した船があるのだがそれは空を飛んでいた。要するに飛行船ってヤツである。 上には階段で行くらしい。 目当ての階段を見つけ上る。八十メイルくらい上った時、俺の鼻は敵の存在を感じた。 「ザ・フール!」 振り向きながらザ・フールで攻撃する。 が、避けられた。 フーケと一緒にいた白い仮面の男だった。 「「ライトニング・クラウド!」」 ロリコンと仮面の男が同時に同じ魔法を唱え、相殺される。実力が近いのか?いや、違う。 「ロリコン!接近戦に持ち込め!」 「僕はロリコンじゃあない!」 そう言いながら素直に接近戦に切り替える。 よし、ご褒美だ。受け取れ。 ザ・フールで攻撃。もちろん二人いっぺんに。それを喰らいロリコンは地に落ちた。 「なにやってるのよ!」 ルイズの怒鳴り声。ちょっと耳が痛くなったがそれに耐え説明する。 「臭いが同じだった。同一人物だぜ、ありゃ」 「………え?」 「ロリコンと白仮面は同じヤツなの。風の偏在ってのじゃねーの?」 ルイズに説明しながら目的地まで歩いた。 「もう一回言ってみて?」 「だーかーら!」 ルイズはしつこく食い下がる。 しつこい女は嫌われるぜ? 再び説明。 「それじゃ困るのよ!」 「仕方がないだろ、ルイズ」 「でも…」 「相棒の言うとおりだ、貴族の娘っ子。諦めろ」 デルフも同じ意見だ。これで二対一。 「アルビオン行きの船はまだ出せないんです、朝になるまで待ってください」 係員の事務的な言葉。相手が怒り心頭の貴族であれ、臆することないその姿勢はとても格好良い。 「一度引き返すぞ」 「そうするしかねーよ、娘っ子」 「…分かったわよ」 おれ達は一度宿屋に引き返す事にした。 『なんとかする』そう言っていたヤツがもういないため船が出せないのだ。 肩を落としながら歩くルイズはとても小さく見えた。 To Be Continued…
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8702.html
魔法少女おりこ☆マギカより 千歳ゆまを召喚 ネコミミの使い魔-01 ネコミミの使い魔-02 ネコミミの使い魔-03 ネコミミの使い魔-04 ネコミミの使い魔-05 ネコミミの使い魔-06
https://w.atwiki.jp/takanasirin/pages/46.html
キャラが契約している使い魔の設定です。 詳しくはそれぞれの使い魔の設定をご覧ください。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6866.html
FF2よりマティウス皇帝陛下召喚 ウボァーな使い魔-01 ウボァーな使い魔-02 ウボァーな使い魔-03 ウボァーな使い魔-04 ウボァーな使い魔-05 ウボァーな使い魔-06 ウボァーな使い魔-07
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1410.html
予想通りコルベールはルイズに教室の片づけを命じた。 ルイズが掃除をするということは必然的に私も掃除をすることになる。やはり巻き髪に制裁を加えておいてよかった。ああ、髪が燃えたからもはや巻き髪でもないか。 掃除は燃えた机の取替えや、煤の取り払い、火を消すため使われた『水』の魔法で水浸しになった床を拭くことだ。 勿論魔法なんか使わない。全部手作業だ。 別にコルベールは魔法を使ってはいけないとは言っていない。 だがルイズは魔法を使えないので意味は無い。 だから地道に手作業で掃除をしなければいけなかったわけだ。 ルイズが私だけに任せず必死に掃除していたのには地味に驚いたがな。 もうルイズがどんな奇行をしても驚かないと思っていたが、こんなのありえねえ、と思う行動には驚いてしまうものだ。 それでも掃除は夜まで続いたが。 歩くたび自分が疲労しているのがわかる。ルイズの顔にも隠しきれない疲労感が見えている。 部屋に帰る途中でふと『キラークイーン』のことを思い出し頭から消し去るように頭を振る。 結局私は『キラークイーン』について考えることを放棄したのだ。 思考を放棄したのは簡単な理由だ。考えてはいけない。不意にそう感じたからだ。それもいくらかの危機感を伴って。 『キラークイーン』について深く考えてはいけない。『キラークイーン』の考えれば考えるほどそう思ってしまうのだ。 私はその直感にしたがって思考を放棄したのだ。 『キラークイーン』は他人には見えない私のもう一つの右腕。それだけで十分だ。 何故こんな力が私に宿っているか、勿論推測はある。 おそらく生前の私の力なのだと思う。生前は超能力者だったのかもしれない。その程度の推測だ。 そしてそれ以上考えようとするとやはり、考えてはいけない、と感じてしまうのだ。 おそらく、おそらくだが生前のことをそれ以上考えることは、自身の存在を揺るがしかねないことなのかもしれない。 私はそれを無意識に知っているからこそ考えてはいけないなどという直感を感じるのだろうし、それに素直に従うのだろう。 私が私であるためには決して自分の存在が揺らいではいけないのだから。 生前の記憶がもし全て戻ったとしたらそれは私といえるのか? 昔そんなことを冗談交じりに考えていたことを、ふと思い出した。 部屋に戻るとルイズはベッドに座り込んだ。私は椅子に座る。 座りながらもうすぐ寝る時間だというのを思い出した。ルイズの着替えを取らなければいけない。 それを思い出し椅子から立ち上がり、クローゼットへ向かう。するとルイズがシーツを手に握り立ち上がる。なんだいったい? その場で立ち止まり黙ってその光景を見守る。ルイズは手に握ったシーツを天井から吊り下げ始めた。シーツはまるでカーテンのようにベッドの上を遮る。 ルイズはそれが終わるとベッドから下りクローゼットへ向かった。 そして着替えを取り出すと再びベッドの上に戻りシーツのカーテンの中へ入っていった。 そのあとゴソゴソと着替える音が聞こえてきた。どうやらまた一つ仕事が減ったようだ。それを確認しながら再び椅子に座った。 しかし自分で着替えまで用意するようになるとはね。もしかしたらこっちが男だということを意識し始めたのかもしれない。 男に着替えさせられたりするのは恥ずかしいことだろう。 こっちは別にルイズの裸なんぞ見てもどうとも思いはしないがな。出るところも出てないし。キュルケなら大喜びだが。 まあ、問題はそこではない。今考えるべき問題は今夜もベッドで寝られるかどうかということだ。 二晩も続けてベッドで寝られるという保証は無い。昨日だけの気まぐれかもしれないのだから。 ルイズが着替え終わるまで椅子の上で待つ。 そしてシーツが外される。そこには着替え終わりネグリジェ姿になったルイズがいた。 シーツを外したルイズは髪の毛をブラシですきはじめる。そんなことしなきゃならないとは女は不便だな。 そういえば髪の毛が伸びたな。幽霊のときは伸びなかったのに。 やがてルイズは髪をすき終わったのかブラシを片付ける。 はてさて、ベッドか否か。 ルイズは、ベッドに横になった。杖を振り魔法のランプの明かりを消す。 どうやら今日はベッドで眠れないらしい。仕方ない、『女心と秋の空』とことわざもあるしな。『男心と秋の空』というのもあるらしいが。 さて私も寝るとするか。硬い床でな。 そう思いながら椅子から立ち上がる。そしていつも寝る床に向かおうとすると突然、 「パフォ!?」 何か柔らかいものが顔に当たった。何だいったい? 顔にあったものが床に落ちる前に腕で受け止める。私の顔に当たったそれは枕だった。何故枕が私の顔に? 「その枕持ってこっちに来なさい。ベッドで寝ていいって昨日言ったじゃない」 ルイズが突然そんなことを言い放った。これからは毎日ベッドで寝られるかもしれないな。 そんな希望を感じながらベッドの端にもぐりこみ毛布を被った。 「ねえ、ヨシカゲ」 寝ようとしたところをルイズが話しかけてくる。五月蠅いな、早く寝ろよ。 しかしそんなことを思っても口には出さない。機嫌を損ねてはベッドで寝られなくなる可能性が大だからだ。 「なんだ」 「ごめんね、勝手に召喚したりして」 「……」 「わたしが召喚しなければヨシカゲは死に掛けたりしなかったのに」 「生きているんだからそれで十分だ」 ルイズの言葉に適当に返す。 まあ、勝手に召喚したことを悪いと思っているというのには驚いたが。 「ヨシカゲ。あんたそのニホンとかいう故郷に戻りたい?」 「いや、別に暮らせれればどこだろうと構わない」 別の世界だからな。帰れる保証なんてない。帰りたいとも特に思わないしな。『幸福』になれるなら場所なんてどこでもいい。 惜しいのは音楽と本くらいだが、この世界でも代用は見つかるだろう。 「あんたたちの国って……、魔法使いがいないのよね」 「ああ」 ルイズがもぞもぞ動きながら聞いてくる。動くなよ、うっとおしい。 「荷車も船も『エンジン』とかいうあれで動いてるのよね」 「……ああ」 あれってのはコルベールが作った装置のことだろう。違うが間違ってはいない。 「ヘンなの」 「そうか」 「あんたってそこで何をしてたの?」 「……会社員だ」 これが一番無難なところだろう。 「会社員って、なに?」 「働いて、給与を貰う者の総称だな」 「ふぅん」 もう終わりか?答えるのも面倒くさいし早く寝たいんだが。 「よく、わかんないけど。あんたはそれで満足してたの?」 「満足?」 「あのね、わたしね、立派なメイジになりたいの。別に、そんな強力なメイジになれなくてもいい。ただ、呪文をきちんと使いこなせるようになりたい。 せめて、みんなができることを普通にできるようになりたいの。それだけでわたしは自分が好きになれるわ。それだけで満足した将来を死ぬまで過ごせる」 ルイズの顔は見えない。しかしそれがどれだけ真剣な願いか、どれだけ魔法が使えるようになりたいと思っているか。 それはその言葉を通して伝わってきた。 しかし私には別にルイズが何をどう思っていようが関係ない。 「ヨシカゲはその会社員っていうのになって満足だったの?自分が好きでいられたの?」 「……私は満足したいから働いていた。自分が好きかどうかなんて考えたことも無い」 「……そっか」 それからルイズから何も言葉は来なかった。 偽ったつもりはない。さっきのが正真正銘の本心だった。本心を言った理由は簡単だ。隠す必要が無い。それだけだ。 そう、私は『幸福』になれるかもしれないという希望を追って仕事をしていた。 それはルイズがいう『満足』に言い換えれば、満足するために仕事をしていたということだろう。 実は私とルイズは少し似ているかもしれない。そんなありえないことを頭に思い浮かべながら私は眠りに落ちた。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1390.html
「説明してくれないか!?さあ!さあ!さあ!さあ!さあ!さあ!さあ!!」 コルベールの顔がさらに近づいてくる。 その目は軽く血走っており、鼻息は荒く、生暖かくて気持ちが悪い。 「せ、説明しますから離れてもらえませんか!?」 この点に関しては必死だ。 もうすぐで唇と唇が触れそうなのだ。大体あと1㎝ぐらい。 女とキスならまだしも男とキスするのは精神衛生上最悪だ。しかもこんな衆人環視の中、目が血走って興奮したおっさんとしようものなら一生引きずる傷になる。 「む?おお、悪かったね。少し興奮してしまった」 これで少し!? もっと興奮したあんたなにする気だったんだ!?キス以上か!? 「それでその似ているものというのは?」 今度はちゃんと顔を離し、落ち着いた様子で聞いてくる。 これなら大丈夫か。 「『エンジン』というものです」 そう、コルベールが作ったものはエンジンだった。それはコルベールが天才といえる証明だ。 ラテン語のingenium(生まれながらの才能)を由来とする言葉で、エネルギーを動力に変えるものの総称、それが『エンジン』だ。 コルベールが作ったのはその中でも火を利用した熱機関と呼ばれるものだろう、……多分。 さすがに詳しいことまではわからないからな。 別にエンジン自体は全く凄いものではない。凄いのは魔法が使えるこの世界でエンジンを作ったことが凄いのだ。 さっきの生徒の発言通り大抵のことは魔法で済ますことができるのだ。 そして済ませられるからこそメイジどもはエンジンなどの、いわゆる科学技術などを発達させようと思わないのだ。 石を真鍮に変えたり、金に変えれたり、呪文一つで空が飛べたり、そんなのが普通なのだ。発達させるなんて考えが起こるわけない。 その中でエンジンを作ったのだ。それも平民ではなく、メイジであるコルベールが、魔法を使えるものが作ったのだ。 これを凄いと言わずして何を凄いというんだろうか。 少なくとも尊敬に値する凄さだろう。 「先ほどミスタ・コルベールが言っていたように、私の国では荷車にエンジンをつけて走らせています。馬は必要ありません。 船もエンジンを使えば帆をつけずに自由に動かせます。さらに空を飛ぶこともできます」 「なんと!やはり気づく人は気づいておる!」 私の説明にコルベールは喜びを隠しきれないようだ。自分と同じ考えを持つものがいたというのは嬉しいのだろう。 どうせこの世界じゃエンジンを作っている時点で変人確定だろうからな。 「きみはいったい、どこの国の生まれだね?」 また顔を近づけてコルベールが聞いてくる。 だから近づけるなって! 「日本という国です。ここからだとおそらく東のほうにあるんじゃないでしょうか?」 別に答えても構わないだろう。 どうせこの世界に日本などという国は無いだろうし。 別の世界きました、なんて言えるはずもないしな。正気を疑われる。 オスマンは知ってるけどな。 「ニホン、ニホンか。聞いたことがないな。しかし東というと……、まさかロバ・アル・カリイエの方から!?あの恐るべきエルフの住まう地を通って!? いや、『召喚』されたのだから、通らなくてもハルキゲニアへはやってこれるか。なるほど……」 なにやらぶつぶつと勝手に自己完結している間にコルベールの顔を押し無理やり自分の顔から引き離す。 これにコルベールは全く気づかなかった。 ある意味凄いな、尊敬できないが。 コルベールはうんうん頷きながら装置のほうへ戻っていく。 そして教壇に立つと教室を見回す。ようやく授業に戻るようだ。 「さて、皆さん!誰かこの装置を動かしてみないかね?なあに!簡単ですぞ!円筒に開いたこの穴に、杖を差し込んで『発火』の呪文を断続的に唱えるだけですぞ。 ただ、ちょっとタイミングにコツがいるが、慣れればこのように、ほれ」 コルベールが再び装置を作動させると再びヘビの人形が顔を出す。 「愉快なヘビくんがご挨拶!このように!ご挨拶!」 ヘビの人形は頭をぴょこぴょこ上下させる。 ……だからそれはつまらないって。 まずなんでヘビなんだ。あれか?人気取りのためか?うけると思ったのか? だとしたらあまりにもセンスが無い。だからといって私にセンスがあるかと聞かれれば否定するが。 そして生徒たちもつまらないと思っているのだろう、誰一人として装置を動かす意思を表すものはいない。 コルベールはそれを見てがっくり肩を落とした。 『エンジン』はきっと渾身の一作だったのだろう。それなのに生徒が誰も興味を示さないのであれば落ち込むのも当然か。 「ルイズ、あなた、やってごらんなさいよ」 そんな時突然そんな声が聞こえてきた。 その声が聞こえた方向に振り向くと授業前ルイズをなじっていたあの巻き髪がいた。 バカかこいつ?ルイズにやらせたら装置が爆発するに決まってるだろうが! そしてどうせ片付けをさせられるに決まってる! あれが爆発したら片付けは結構大変そうじゃないか!だというのに巻き髪のアマが余計なこと言いやがって! 「なんと!ミス・ヴァリエール!この装置に興味があるのかね?」 その声を聞きコルベールは顔を輝かせる。 させたら世界初(であろう)エンジンが壊れるぞ。 そして問題のルイズは私の隣で困ったように首をかしげていた。 「土くれのフーケを捕まえ、なにか秘密の手柄を立てたあなたなら、あんなこと造作もないはずでしょ?」 巻き髪ルイズを挑発するように、いや、挑発しているのだろう。 だがそういったことはやめて欲しい。私の苦労が増えるからだ。 もしルイズがやる気になって爆発したら、後悔させてやる。 「やってごらんなさい?ほら、ルイズ。ゼロのルイズ」 ルイズはその言葉を聞くと立ち上がり無言で教壇に歩み寄っていった。前列の席に座った生徒たちは椅子の下に隠れ始める。 巻き髪はわかっているのだろうか。 言葉には力がある。人を動かす力だ。それで今お前はルイズを動かした。 だが動かした結果も考えて言葉を発しているのか? きっと魔法は失敗するだろう。あの装置は爆発する。きっとコルベールはルイズに片づけを命じるに違いない。必然的に私も手伝うことになる。 その結果私の自由は奪われるだろう。そのせいで心にはストレスが溜まる。 コルベールはルイズのゼロを知らないのか忘れているのか知らないがにこにこと嬉しそうに笑っている。 ルイズは目を瞑ると大きく深呼吸し、円筒に杖を差し込む。 そして呪文を唱え始める。 私もそれを見ながら机に身を隠すように沈み込む。前は帽子が潰れたからな。気をつけなければならない。 溜まったストレスはどこにぶつければいい? 私なら溜めさせた奴にぶつける。つまり巻き髪にだ。 巻き髪が余計なことを言わず、ただ黙っておけば片付けはしなくて済んだのだから。 そして唱え終わった瞬間、円筒は爆発しコルベールとルイズを吹き飛ばした。 生徒の悲鳴が響き渡る。 爆発は油に引火し、あたりに火を振りまいた。椅子や机が燃え始める。 「ミスタ・コルベール。この装置、壊れやすいです」 そんな阿鼻叫喚の中、ルイズは立ち上がり、周りなど意に介した風もなく腕を組み言い放った。 さすが慣れてるな。 コルベールが起きてこないということは気絶しているらしいな。起きたら悲鳴を上げそうだ。 そんなことを思いながら立ち上がり巻き髪のほうへ近寄る。 「お前が壊したんだろ!ゼロ!ゼロのルイズ!いい加減にしてくれよ!」 「というか燃えてるよ!消せよ!」 ルイズへの数々の罵詈雑言が飛び交う中私は巻き髪を射程距離内に入れていた。 「『キラークイーン』」 もう一つの腕を発現させると立ち上がりなにやら呪文を唱えている巻き髪の首を掴ませる。 「うごぉ!?」 巻き髪は突然咽喉をを絞められたことに驚いたのか短い悲鳴を漏らす。 しかし慌てふためいている周りはそんなことを気にした様子はない。 別に私はこの小娘の首を絞めるのが目的ではない。こんなものでなにが後悔なのだろうか。 私はもう一つの腕を使い、巻き髪を燃えている机に投げ込ませた。 「きゃぁあああ!!!」 投げられ机に叩きつけられた巻き髪は床を転げまわる。 なぜならその髪や服に火が燃え移っていたからだ。 その後すぐに誰かが『水』の魔法を使い火は消し止められた。 巻き髪の髪は燃える前と違い見るも無残なものになっていた。髪が燃えたんだからな。いいザマだ。 今のを誰も私と関連付けるものはいない。私は『平民』だからな。人を触らずに投げ飛ばすなんてことはできはしない。 ……待てよ。私は腕を発現させるときなんって言った?『キラークイーン』、そういったんだ。 何故!?今になって気づくほど自然に口から滑り出ていた。 「『キラークイーン』」 その言葉を意識して口に呟いてみる。 その言葉は何の違和感もなく自分の中に吸い込まれ、それが右腕のことであると理解できた。 「どういうことだ、私はいったい……」 コルベールの悲鳴と生徒の声に包まれながら、私は自分の右手を見ていた。
https://w.atwiki.jp/nikuq-niuniu/pages/1800.html
使い魔ポロッゴ 依頼主 :サロ・ロッゴ(マトーヤの洞窟 X6-Y6) 受注条件:レベル59~ 概要 :マトーヤの洞窟のサロ・ロッゴは、憂鬱そうにつぶやいている。 サロ・ロッゴ 「ゲコゲコォ・・・・・・。 なんてこった、おしまいだ・・・・・・! マトーヤ様の怒りの炎で、干物にされてしまうんだケロ・・・・・・。 ゲコッ・・・・・・? お、お客人様、わたくしめに力を貸してくださるので? 嬉しい・・・・・・嬉しい・・・・・・なんて優しいお方だケロ! わたくし、「ポロッゴ」と呼ばれる使い魔トードの1匹・・・・・・ 名を「サロ・ロッゴ」と申しますケロ。 この洞窟の前に茂る薬草をつんでは、 マトーヤ様にお茶を淹れるのが、わたくしの役目・・・・・・。 ですが、その役目が果たせなくなり、困り果てておりますケロ。 というのも・・・・・・ あの薬草は、マトーヤ様が研究を重ねた逸品なのですが、 めでたき薬効を狙ってか、虫が寄りついてしまったのだケロ。 虫は手ごわく、わたくしめでは、杖もベロも出ないケロ。 お客人様、どうかどうか・・・・・・! 薬草から、憎き虫めを駆除してくださいませんか、ゲコォ!」 サロ・ロッゴ 「この洞窟の前に茂る薬草から、 憎き虫めを追い払ってほしいケロ! どうか、よろしくおねがいしますケロ!」 マトーヤの薬草を調べてオーンフライを討伐 マトーヤの洞窟のサロ・ロッゴに報告 サロ・ロッゴ 「ゲコゲーコ! ああ、強くて優しい、お客人様! 憎き虫めを、ベロリと駆除してくださったのですね! おかげさまで、お茶を淹れることができるケロ。 それこそ、わたくしめの唯一の役目。 そう、唯一の・・・・・・・・・・・・ゲコォ・・・・・・。 ・・・・・・実はわたくし、使い魔としてあるまじき、 ドジでグズなポロッゴなのでございますケロ。 マトーヤ様に任された役目をことごとく失敗し、 仕方なく命じられたのが、日に7度のお茶くみ係。 それすらも、此度はお客人様の力を、お借りしたケロ・・・・・・。 このままでは、魔法を解かれ、 物言わぬトードに戻されるのも時間の問題ケロ・・・・・・。 お客人様、後生ですから、再び力をお貸しくださいませんか! マトーヤ様の「望み」さえわかれば、 わたくしめでも、お役に立てることがあるはずケロ・・・・・・! そこらのホウキから、それを聞き出してほしいケロ。 彼らは、マトーヤ様から知識を授かった、魔法のホウキ。 小難しいことを言いたがりますが、 お客人様ならきっと、聞き出せると信じてますケロ!」
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4232.html
「なぁ相棒。さっき言った事、本気なか?」 丘に一人、男が佇んでいた。 黒いコートと帽子に身を包んだ巨漢の剣士。 これから来る戦いに動じる事もなく、静かにその時を待っている。 「絶対無理だって、いくらお前ぇが強いからってそりゃ無理ってもんだ」 そう語るのは彼の背負っている一振りの剣。 意思を持つ剣、インテリジェンスソードのデルフリンガーだ。 「問題ない。我々のするべき事は敵の殲滅ではなく足止めだ。味方が艦に乗り、無事に脱出するまでの時間を稼げればいい。 それならば敵陣を混乱させるだけで十分効果が出る。我々だけでも可能だ」 「バカ! そっちじゃねぇよ!」 デルフリンガーは声を荒げた。 「お前ぇさっきあの嬢ちゃんと約束しただろ、絶対に生きて帰るって。そりゃお前ぇは強ぇさ。 素手でゴーレムを砕けるくらいにバカ力だし、体はドラゴンの皮膚みてぇに頑丈だし、オマケに空だって飛べちまう。 だがな、今回の相手は七万の軍勢だ。片っ端から指揮官を狙ってけば足止めくらいは可能だろうが、生きて帰るなんてのは絶対に無理だ」 そう、この男はこれから七万の敵アルビオン軍と対峙し、味方が逃げるまでの時間を稼がねばならない。 元々は彼の今の主人であるルイズの役目なのだが、彼がルイズを説得し、自らが戦場に立つ事を望んだのだ。 そして彼は約束した。 必ず生きて帰ると。 「6千年も生きてる俺が言うんだ、間違いねぇ。相棒はこの戦いで……」 「デルフ」 と、その男は区切り、静かに続けた 「男はいかなる困難においても希望の光を探すことを忘れてはならない」 連合軍の船内には次々と敗走する味方軍で溢れかえっていた。 この状態は明後日まで続くらしい。 そしてその船内の一室に膝を抱えてベッドに蹲っているルイズの姿があった。 「ジェイ……本当に生きて帰ってくるよね」 ルイズは自分の使い魔との会話を思い出していた。 それは自分が敵軍を抑える捨石となる事を宣告された時の事だ。 「私が行こう」 「え?……」 ルイズは一瞬、自分の使い魔が言った事をちゃんと理解できなかった。 だがすぐにわかった。 彼は『私が』行くと言った。 つまり、こう言っているのだ。 ルイズの変わりに自分が敵を足止めすると。 「ちょっと待ってよ!これはわたしが受けた役目よ! あなたはすぐにみんなと一緒に脱出しなさい」 「それは出来ない」 「どうしてよ!」 「今のルイズでは敵を足止めする事は出来ない。だが私なら可能だ。守るべき存在を危険に晒す事は出来ない」 ルイズは言葉を続けようとした。 『そんなことはない! 自分にだって出来る』と。 だが、その言葉はついに喉から出る事はなかった。 ジェイの言う事はいつだって正しかった。 ジェイは絶対に嘘を言わない。 そして、いつも全力でわたしを助けてくれた。 ならば、これも本当の事なのだろう。 「でも……でも……」 ルイズは泣き出した。 自分に虚無の力があるとわかって、やっと認めてもらえた自分の力を正しい事に使いたくて、 そしてアンリエッタの役に立ちたくてここまでやってきた。 それが、みんなを助けなきゃいけない一番大事なときに無力な自分が許せなかった。 「勇気と無謀を混同してはならない。可能性のない勇気を無謀と呼ぶ。ルイズ、今お前が行おうとしているのは勇気ではない」 「そんなのわかってる! わたしが足止めしたって大した役には立たないって事ぐらい! でも私は貴族なの! たとえ死ぬとわかっていても、行かなきゃいけないの! 貴族の誇りにかけても!」 「死ぬ事は誇りではない。それは愛すべき人々を悲しませる罪だからだ。真に誇るべきは、愛すべき人々に自分の無事な姿を見せ、共に触合う事だ」 ルイズはその言葉にはっとして、自分の使い魔を見上げた。 ほとんど表情を変える事がない顔。 ただ、朝自分を起こしたあとにはいつも 「キュートだ、エンジェル」 という決まり文句と一緒に笑顔を向けてくれる。 ジェイが召喚されてからは、いつもその言葉を聞くのが楽しみになっていた。 説教臭くて、いつも少女はどうのとか男はどうのとか言ってご主人様である私にまで一々意見する。 でも今ならわかる。 それは全部自分の為を思って言ってくれた事なんだって。 誰よりも強く、誰よりも自分の事を理解してくれる、最高の使い魔。 彼は自分に召喚された事に文句を一切言わなかった。 そして幾度となく自分を助けてくれた。 いきなり違う世界から自分に召喚されてしまったというのに。 「どうして……どうしてそんなにわたしの為にしてくれるのよ!? わたしはあなたを無理矢理呼び出して使い魔にしたのよ! そんなわたしにどうして……どうして……」 「男は一度口にした約束は守らねばならない」 「約束?」 「私はルイズの使い魔になると約束した。そして使い魔は主人を守らねばならない」 そう言うと彼は作戦場所である丘へと向かおうとした。 「待って!」 ルイズは叫んだ。 もう彼を止める事は出来ない。 どんな風に言っても彼は七万の軍勢と戦うだろう。 ならばせめて、自分に出来るのはこのくらいだ。 「どうしても行くのよね? わかった、もう止めないわ。でもこれだけは約束して! 必ず生きて帰ってくるって!」 「それは保障できない。今回の作戦で私が大破する事無く戻れる確立は……」 「いいから約束して!」 ルイズは目に涙を浮かべて訴えた。 「……わかった。約束しよう」 そう言うと、今度こそジェイは丘へと向かって歩き出した。 わかっている。 彼は自分を安心させる為に言ったのだ。 けど、それでも彼ならその約束すらも守って見せるだろう。 いままでジェイが約束を破った事など一度もないのだから。 だが、だが万が一、二度と戻ってこなかったら…… 彼女は祈った。 始祖ブリミルに、そして彼自身に。 「お願い、無事に帰ってきて! わたしの……わたしだけの……」 嵐が吹き荒れた。 アルビオン軍の者達にはそうとしか思えなかった。 突然空から落下してきた黒い塊。 それが降り立った場所から次々と悲鳴が沸き起こる。 それの存在を最初に確認した指揮官の男は、次の瞬間には激痛と共に意識を手放していた。 敵陣の中央降り立った次の瞬間にはジェイは動いていた。 その疾風の如き速度で一気に敵指揮官の一人の前に立ち、その拳を叩きつけて気絶させた。 さらに次、さらに次へと指揮官だけを正確に狙い、どんどんその数を減らしていく。 指揮官を失った部隊は統制を失い、混乱して一部では同士討ちが始まっていた。 無論、敵とてただやられているわけではない。 剣が、槍が、銃弾が、そして数々の魔法がジェイに襲い掛かる。 だが、それらは全てが効果がなかった。 剣はその体を斬る事が出来ず、槍はその身に突き刺さる前に折れ、銃弾は当たると同時に弾かれた。 そして魔法は全て、その正確無比な動きで全てデルフリンガーに吸収されていった。 アルビオン軍は恐怖した。 決して捉える事の出来ない圧倒的な速さ。 決して止める事の出来ない凄まじい力。 決して傷つける事の出来ない強靭な肉体。 まるで小さなドラゴンを相手に戦っているような気分であった。 そして恐怖は次々と感染していき、混乱は恐慌へと変化していった。 だが、その中で将軍たるホースキンだけが冷静に敵を打破する為の作戦を練っていた。 「相棒、奴が敵将だ。あいつをやればこの作戦、完璧に成功だぜ」 「確保する」 ホースキンの姿を確認したジェイはすでに走りだしていた。 これでホースキンを気絶させれば任務は達成される。 そのはずだった。 突如、ジェイの目の前に地面から競り上がった壁が現れた。 おそらく錬金による物だろう。 ジェイは構う事なく走り、その突進で壁を砕き割った。 が、ジェイの進行はそこで止まった。 ジェイの進行を阻んだのは壁ではない。 その壁の後ろに隠れていた数十体もの鋼鉄のゴーレムの体当たりだ。 いかにジェイの力が並外れているとはいえ、これだけのゴーレムをすぐに破壊する事は出来ない。 壁はジェイの視界を遮り、ジェイのスピードを落とす為の物だったのだ。 全てはホースキンの作戦だった。 ホースキンは事態を察知し、歴戦の将としての感で敵がどのような存在なのかを見極めた。 そしてすぐに最も有効的な策を導き出し、副官に土系統と火系統のメイジを後方に集めさるよう指示したのだ 「放て!!」 ホースキンの号令と共にスクウェア、トライアングルクラスの炎が次々と放たれる。 「相棒! あれはやべぇ、逃げろ!」 が、すでにゴーレムに囲まれ、全身を抑えられたジェイにゴーレムを破壊して逃げるだけの時間はなかった。、 次の瞬間、数十対のゴーレムと共にジェイは轟音と共にその炎に包まれた。 「相棒ぉぉぉぉぉぉおおおぉぉぉ!!!」 デルフリンガーの声が戦場に響いた。 「黒服の男が一人でアルビオン軍に向かっていった?」 「へぇ、部下の一人が剣を背負った奇妙な黒服と帽子の男が向かうのを見たと。おそらく一人で敵軍を止めに行ったんでしょう」 船の甲板で話しているのはド・ヴィヌイーユ大隊第二中隊長を勤めるギーシュと、中隊付軍曹のニコラだ。 その話を聞いたギーシュはすぐに一人の男を思い浮かべた。 奇妙な黒服を着てるなんて言われる人物は彼しか思いつかない。 いやそれ以前に、そんな事が出来そうな人間は他にはいないでだろう。 思えば彼との縁も奇妙なものだった。 出会いは最悪だった。 ジェイがギーシュの落としたモンモランシーの香水を拾って浮気がばれて、そのまま勢いで決闘を吹っかけた。 そしていざ決闘となると、ジェイはギーシュのワルキューレをその拳で次々と砕いていったのだ。 その姿に恐怖した。 次は自分があのワルキューレのように破壊されるんじゃないかと。 そして近づいてくるジェイのあまりの怖さに腰が抜けて逃げ出す事も出来なかった。 が、ジェイはギーシュの持っている薔薇の杖を取り上げただけだった。 そしてギーシュに向かってこう言った。 「男は目先の恐怖に怯んではならない」 その時にギーシュは鈍器で殴られたかのような衝撃を受けた。 「命を惜しむな、名を惜しめ」 このグラモン家の家訓を胸に今まで生きてきた。 だが、この時の自分は恐怖に飲まれ、あまつさえ自分から挑んだこの戦いから逃げたいと思ってしまった。 その事実に打ちのめされ、その場にひれ伏してしまった。 そんな自分に、 「男がいつまでも地面に這いつくばるものではない」 そう言って彼は自分に手を差し伸べてくれた。 この時から自分にとってジェイは無二の存在になった。 あれ以来、ギーシュは二度と浮気をすることはなかった。 今回の戦争でも恐怖は感じたが、その恐怖に飲まれて動けなくなることはなかった。 そして、決して最後まで諦める事もなかった。 全てジェイから学んだ事だ。 彼からは今まで多くのことを学んだ。 それは貴族とか平民とか、そんな枠組みを越えた、 そう、男としてあるべき姿を。 「勇敢な男がいたもんでさぁねぇ。でも一人で行って何ができるんだか」 「ふふ、どうかな」 「へ?」 彼が無意味な事などするはずがない。 ならば、彼にとってこれは可能なことなのだろう。 ギーシュは人生の師と仰いだその男の事を心から信じていた。 「ニコラ、彼が何と呼ばれているか知っているかい?」 「い、いえ」 「フッ、彼は……」 「我が軍の被害はどの程度だ?」 「はい、重軽傷者合わせて指揮官が約40人、その他各部隊の兵隊が約300人程です」 「死者は出ていないのか?」 「はい、奇跡としか言いようがありません」 勝利を確信したホースキンは副官から現状の確認をした。 そしてあれだけ暴れて全く死者が出ていないという事実に驚いた。 一体どれほどの実力があればそのような事が可能なのだろう。 戦慄を覚えると同時に、今ここで倒せた事に心底安心した。 「恐ろしい敵でしたな」 「ああ、だが同時に素晴らしい英雄でもあった。亡骸が残っていたら丁重に……」 プオオォォォォォォォォォォオオオオオオオォォォォォォォォォ 突如鳴り響いた甲高い音と共に、ジェイが包まれた炎の中から大量の蒸気が発生した。 そしてその炎が弱まり、中から現れたのは、 「何だあれは……」 赤く輝く双眸を持つ、黒と白で彩られた、人の形をした何かであった。 「へへ、何となくわかってはいたが相棒、やっぱりお前も人間じゃなかったんだな」 そう、彼は都市国家ジュドの都市安全管理局中によって作られたアンドロイド。 今の姿は人工皮膚で作られた外装が全て剥げた姿だ。 だがその外装はあくまでも一般人に紛れるための物。 戦闘に一切の支障はない。 「その格好も中々男前じゃねぇか」 「男が容姿について安易に語るものではない」 ヘイヘイとデルフリンガーは軽く相槌を打った。 が、そんな軽い調子のデルフリンガーとは違い、アルビオン軍はさらなる混乱に陥っていた。 「ゴっゴーレムだ!」 「いや、ガーゴイルだ!」 「バっバケモノ!」 アレだけの炎をその身に受け、それでもなお立ち上がる存在。 それはまさに人外の怪物以外の何者でもない。 アルビオン軍は自分達が相手をしているのがどれ程恐ろしい存在なのかを、この時始めて理解したのだ。 「まさか……アレは……」 ホースキンは一つの噂を思い出した。 先のトリステインへの奇襲作戦の際、数多の戦艦が一人の男によって墜とされた。 その男は蒸気に包まれながら戦い、一切血を流す事なく戦艦を無力化していったと。 その時は戦場に幾多流れる他愛もない虚報の一つだと聞き流していた。 が、目の前のソレを見て確証した。 コイツがそうだ。 それは誰が最初に呼んだのであろう。 その姿から男は敵からは畏怖の、味方からは畏敬の念を込めてこう呼ばれたという。 「あれが噂の……」 「「「ヒートガイ!!」」」 完
https://w.atwiki.jp/prdj/pages/405.html
使い魔 Familiar ここに示したものは、最も普通に使い魔として使われる全ての基本の動物のデータである。もちろんこれらのデータは通常の動物のものとして使うこともできる。このような小動物は、〈登攀〉と〈水泳〉の判定に【敏捷力】修正値を用いる。 アウル(フクロウ) 脅威度1/3 Owl 経験点135 N/超小型サイズの動物 イニシアチブ +3;感覚 夜目;〈知覚〉+10 防御 AC 15、接触15、立ちすくみ12(+2サイズ、+3【敏】) hp 4(1d8) 頑健 +2、反応 +5、意志 +2 攻撃 移動速度 10フィート、飛行60フィート(標準) 近接 鉤爪(×2)=+5(1d4-2) 接敵面 2・1/2フィート;間合い 0フィート 一般データ 【筋】6、【敏】17、【耐】11、【知】2、【判】15、【魅】6 基本攻撃 +0;CMB +1;CMD 9 特技 《武器の妙技》 技能 〈隠密〉+15、〈知覚〉+10、〈飛行〉+7;種族修正 +4〈隠密〉、+4〈知覚〉 生態 出現環境 温暖/森林 編成 単体、2体 宝物 なし アウルは夜行性でげっ歯類を食う鳥であり、飛行する際にほとんど全く音をたてない。 ヴァイパー(マムシ) 脅威度1/2 Viper 経験点200 N/超小型サイズの動物 イニシアチブ +3;感覚 鋭敏嗅覚、夜目;〈知覚〉+9 防御 AC 16、接触15、立ちすくみ13(+1外皮、+2サイズ、+3【敏】) hp 3(1d8-1) 頑健 +1、反応 +5、意志 +1 攻撃 移動速度 20フィート、登攀20フィート、水泳20フィート 近接 噛みつき=+5(1d2-2、加えて“毒”) 接敵面 2・1/2フィート;間合い 0フィート 一般データ 【筋】4、【敏】17、【耐】8、【知】1、【判】13、【魅】2 基本攻撃 +0;CMB +1;CMD 8(足払いされない) 特技 《武器の妙技》 技能 〈隠密〉+15、〈水泳〉+11、〈知覚〉+9、〈登攀〉+11;種族修正 +4〈隠密〉、+4〈知覚〉 生態 出現環境 温暖および暑熱/地形問わず 編成 単体 宝物 なし 特殊能力 毒(変則)/Poison 噛みつき・致傷型;セーヴ 頑健・DC9;頻度 1回/ラウンド(6ラウンド間);効果 1d2【耐】;治癒 1回のセーヴ成功。 ヴァイパーはとりわけ攻撃的な蛇ではないが、その毒の噛みつきは致命的となりうる。 ウィーゼル(イタチ) 脅威度1/2 Weasel 経験点200 N/超小型サイズの動物 イニシアチブ +2;感覚 鋭敏嗅覚、夜目;〈知覚〉+1 防御 AC 15、接触14、立ちすくみ13(+1外皮、+2サイズ、+2【敏】) hp 4(1d8) 頑健 +2、反応 +4、意志 +1 攻撃 移動速度 20フィート、登攀20フィート 近接 噛みつき=+4(1d3-4、加えて“食らいつき”) 接敵面 2・1/2フィート;間合い 0フィート 一般データ 【筋】3、【敏】15、【耐】10、【知】2、【判】12、【魅】5 基本攻撃 +0;CMB +0;CMD 6(対足払い10) 特技 《武器の妙技》 技能 〈隠密〉+14、〈軽業〉+10、〈脱出術〉+3、〈登攀〉+10;種族修正 +4〈隠密〉、+8〈軽業〉 生態 出現環境 温暖/丘陵 編成 単体 宝物 なし 特殊能力 食らいつき(変則)/Attach ウィーゼルが噛みつき攻撃を命中させた場合、自動的にその敵と組みつき状態になり、毎ラウンド自動的に噛みつきダメージを与える。 ウィーゼルは、文明圏にあっては鶏舎を襲ったりペットを攻撃して満ち足りている捕食動物である。 キャット(猫) 脅威度1/4 Cat 経験点100 N/超小型サイズの動物 イニシアチブ +2;感覚 鋭敏嗅覚、夜目;〈知覚〉+5 防御 AC 14、接触14、立ちすくみ12(+2サイズ、+2【敏】) hp 3(1d8-1) 頑健 +1、反応 +4、意志 +1 攻撃 移動速度 30フィート 近接 爪(×2)=+4(1d2-4)、噛みつき=+4(1d3-4) 接敵面 2・1/2フィート;間合い 0フィート 一般データ 【筋】3、【敏】15、【耐】8、【知】2、【判】12、【魅】7 基本攻撃 +0;CMB +0;CMD 6(対足払い10) 特技 《武器の妙技》 技能 〈隠密〉+14、〈知覚〉+5、〈登攀〉+6;種族修正 +4〈隠密〉、+4〈登攀〉 生態 出現環境 温暖および高温/平地または都市 編成 単体、2体、小さな群れ(3~12) 宝物 なし 典型的なキャットは完全な成猫で体重5~15ポンド。 トード(ヒキガエル) 脅威度1/8 Toad 経験点50 N/微小サイズの動物 イニシアチブ +1;感覚 鋭敏嗅覚、夜目;〈知覚〉+5 防御 AC 15、接触15、立ちすくみ14(+4サイズ、+1【敏】) hp 2(1d8-2) 頑健 +0、反応 +3、意志 +2 攻撃 移動速度 5フィート 接敵面 1フィート;間合い 0フィート 一般データ 【筋】1、【敏】12、【耐】6、【知】1、【判】15、【魅】4 基本攻撃 +0;CMB -3;CMD 2(対足払い6) 特技 《技能熟練:知覚》 技能 〈隠密〉+21、〈知覚〉+5;種族修正 +4〈隠密〉 生態 出現環境 温暖および暑熱/森林 編成 単体、2体、集団(3~100) 宝物 なし トードはざらざらした皮膚の無害な両生類である。 バット(コウモリ) 脅威度1/8 Bat 経験点50 N/微小サイズの動物 イニシアチブ +2;感覚 非視覚的感知20フィート、夜目;〈知覚〉+6 防御 AC 16、接触16、立ちすくみ14(+4サイズ、+2【敏】) hp 2(1d8-2) 頑健 +0、反応 +4、意志 +2 攻撃 移動速度 5フィート、飛行40フィート(良好) 近接 噛みつき=+6(1d3-4) 接敵面 1フィート;間合い 0フィート 一般データ 【筋】1、【敏】15、【耐】6、【知】2、【判】14、【魅】5 基本攻撃 +0;CMB -2;CMD 3 特技 《武器の妙技》 技能 〈知覚〉+6、〈飛行〉+16;種族修正 +4〈知覚〉 生態 出現環境 温暖および高温/森林および砂漠 編成 共棲集団(10~400) 宝物 なし バットのほとんどは昆虫食か果実食であるが、少なくとも1種は吸血性である。 ホーク(鷹) 脅威度1/3 Hawk 経験点135 N/超小型サイズの動物 イニシアチブ +3;感覚 夜目;〈知覚〉+14 防御 AC 15、接触15、立ちすくみ12(+2サイズ、+3【敏】) hp 4(1d8) 頑健 +2、反応 +5、意志 +2 攻撃 移動速度 10フィート、飛行60フィート(標準) 近接 鉤爪(×2)=+5(1d4-2) 接敵面 2・1/2フィート;間合い 0フィート 一般データ 【筋】6、【敏】17、【耐】11、【知】2、【判】14、【魅】7 基本攻撃 +0;CMB +1;CMD 9 特技 《武器の妙技》 技能 〈知覚〉+14、〈飛行〉+7;種族修正 +8〈知覚〉 生態 出現環境 温暖/森林 編成 単体、2体 宝物 なし ファルコンは、雛鳥から育て適切に訓練した場合、熟練した狩りの相棒となる優れた鳥として称揚されている。 モンキー(猿) 脅威度1/4 Monkey 経験点100 N/超小型サイズの動物 イニシアチブ +2;感覚 夜目;〈知覚〉+5 防御 AC 14、接触14、立ちすくみ12(+2サイズ、+2【敏】) hp 4(1d8) 頑健 +2、反応 +4、意志 +1 攻撃 移動速度 30フィート、登攀30フィート 近接 噛みつき=+4近接(1d3-4) 接敵面 2・1/2フィート;間合い 0フィート 一般データ 【筋】3、【敏】15、【耐】10、【知】2、【判】12、【魅】5 基本攻撃 +0;CMB +0;CMD 6 特技 《武器の妙技》 技能 〈軽業〉+10、〈知覚〉+5、〈登攀〉+10;種族修正 +8〈軽業〉 生態 出現環境 暑熱/森林 編成 単体、2体、一団(3~9)、部隊(10~40) 宝物 なし モンキーは高度に社会的なクリーチャーである。彼らは1日のほとんどを食物を探してすごす。 ラット(鼠) 脅威度1/4 Rat 経験点100 N/超小型サイズの動物 イニシアチブ +2;感覚 鋭敏嗅覚、夜目;〈知覚〉+1 防御 AC 14、接触14、立ちすくみ12(+2サイズ、+2【敏】) hp 4(1d8) 頑健 +2、反応 +4、意志 +1 攻撃 移動速度 15フィート、登攀15フィート、水泳15フィート 近接 噛みつき=+4(1d3-4) 接敵面 2・1/2フィート;間合い 0フィート 一般データ 【筋】2、【敏】15、【耐】11、【知】2、【判】13、【魅】2 基本攻撃 +0;CMB +0;CMD 6(対足払い10) 特技 《武器の妙技》 技能 〈隠密〉+18、〈水泳〉+10、〈登攀〉+10;種族修正 +4〈隠密〉 生態 出現環境 温暖/地形問わず 編成 単体、2体、巣(3~12)、大発生(13~100) 宝物 なし 多産でこそこそしたラットは雑食性のげっ歯類であり、特に都市部で繁栄している。 リザード(トカゲ) 脅威度1/6 Lizard 経験点65 N/超小型サイズの動物 イニシアチブ +2;感覚 夜目;〈知覚〉+1 防御 AC 14、接触14、立ちすくみ12(+2サイズ、+2【敏】) hp 3(1d8-1) 頑健 +1、反応 +4、意志 +1 攻撃 移動速度 20フィート、登攀20フィート 近接 噛みつき=+4(1d4-4) 接敵面 2・1/2フィート;間合い 0フィート 一般データ 【筋】3、【敏】15、【耐】8、【知】1、【判】12、【魅】2 基本攻撃 +0;CMB +0;CMD 6(対足払い10) 特技 《武器の妙技》 技能 〈隠密〉+14、〈軽業〉+10、〈登攀〉+10;種族修正 +8〈軽業〉 生態 出現環境 温暖または暑熱/地形問わず 編成 単体、2体、巣(3~8) 宝物 なし リザードは温帯や熱帯のいかなる気候帯にも存在する。捕食者に直面した場合、リザードは逃げるか隠れるかする。 レイヴン(大鴉) 脅威度1/6 Raven 経験点65 N/超小型サイズの動物 イニシアチブ +2;感覚 夜目;〈知覚〉+6 防御 AC 14、接触14、立ちすくみ12(+2サイズ、+2【敏】) hp 3(1d8-1) 頑健 +1、反応 +4、意志 +2 攻撃 移動速度 10フィート、飛行40フィート(標準) 近接 噛みつき=+4(1d3-4) 接敵面 2・1/2フィート;間合い 0フィート 一般データ 【筋】2、【敏】15、【耐】8、【知】2、【判】15、【魅】7 基本攻撃 +0;CMB +0;CMD 6 特技 《技能熟練:知覚》、《武器の妙技》 技能 〈知覚〉+6、〈飛行〉+6 生態 出現環境 温暖/地形問わず 編成 単体、2体、編隊(3~12)、剣呑な群れ(13~100) 宝物 なし レイヴンは死体、昆虫、残飯、草の実、小動物さえも食べる雑食性の清掃動物である。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6730.html
CAPCOM VS. SNK2から『神人豪鬼(しんごうき)』 滅殺の使い魔-01 滅殺の使い魔-02 滅殺の使い魔-03 滅殺の使い魔-04 滅殺の使い魔-05 滅殺の使い魔-06 滅殺の使い魔-07 滅殺の使い魔-08 滅殺の使い魔-09 滅殺の使い魔-10